落ちない階段って、寸法に秘密が?それとも…

何を隠そう、以前の東京の自宅(賃貸)では、3回も階段から転げ落ちたわたし。

3回とも何かを持って降りた際に、踏み外して1階まで雪崩落ちた過去。スリッパは履いていたり、履いていなかったり。

犬を抱えて、
洗濯物を抱えて、
あとは何だったかな…。

とにかく、無防備にステップを踏み外しての落下なので、背中や腰を強打し、落ち切った頃には息もできない状態。

う……。

痛みと衝撃で声すら出ない。
よくも骨折も流血もせず、これまで無事にやり過ごせたもんだと、見えないお守りに感謝することシバシバでした。

で、自宅建築の際は、強くお願いしたんです。

「落ちない階段にしてください」

わたしがそそっかしい不注意な性格であることは認めます。
だって、同じ家に住みながらオットは一度も階段から落下したことなんてないんだから。

でもね、東京の家の階段は、誰でも非常に注意を要する(なら、なぜ、注意しない!のツッコミはなしね)傾斜とステップ幅だったことは、わたしの名誉のために書いておきますよ。
写真もサイズ記録もとってないけど。

で、そんな注文をつけて作ってもらったにもかかわらず、最近まで、気がつかなったんです。

「あれ?落ちてないな…わたし」

ヨークシャーテリアとボール遊びのあと、休憩した和室のその先の階段を見て、そーいえば、と。

で、測ってみました。階段の寸法。

ステップ幅、24センチ。わたしの足のサイズ23~23.5センチ(関係あるのかなー?)
一段の高さ、20センチ。

上りから見て、時計回りの階段で、ステップは13段、14段目が2階の床。

これって、標準?特注?

ちょっとググってみると、階段には建築基準法で決められた寸法があるんですねー。
階段の寸法には決まりがあった!基準と上りやすさの比較

『蹴上23センチ以下、踏面15センチ以上、階段と踊り場の幅75cm以上。
実際にはこの寸法で階段を造ると、上り下りしにくい階段になることが多いようです』

なるほど。
ってことは、うちの階段は緩やかな傾斜になっているってことか。

7年の居住期間中に、3回も落っこちた東京の家の階段は、体感的に「急」で「幅狭」だったけど、建築基準法の範疇の「上り下りしにくい」階段だったってことなんですねー。

 

うちの階段スペースは、決して広くとれる条件ではなかったから、設計に苦労したと設計士さんもおっしゃっていたし、

専門的なことはわからないけど、大工さんも造るのにすごく苦労したよう。

隣家で建築の日々を見守っていたから、よーく覚えています。
階段に取り掛かっている時の棟梁の真剣さったら、ほかの場所のときとかなり違っていたから。

図面をガン見、何度も何度も採寸したり、なんなら「う――――ん」と唸っている声すら聞こえる(実際には聞いてません…)ような仕草。

休憩のお茶出しの声かけすら、タイミングに困ったくらいだったし。

なのに、落ちない階段、ってこと以外に、この階段の「特別感」がイマイチわかっていないわたし。

設計段階で、確かに聞きました。

「この階段、造るの大変ですよー(ニヤニヤ ^^ )」という、設計士さんの現場監督へのコメント。返した現場監督の「大丈夫でしょーー」という、造るの棟梁だし、ってお任せ感コメント。

そして、現場で唸った(聞いてませんよ)棟梁。

いつの間にか出来上がった、階段。

オープンハウスのときに、設計士さんのご家族もご覧に来られて

「階段を見に来ました」

っておっしゃっていたなー。

思い出してきた!!

この階段、手すりを兼ねた内壁?
回転しながら上り下りする時の、中心になる柱というか、手すりというか、壁というか

これです↓

この手すりの厚みが、すごく薄いって。

階段の支点になるところなのに、数センチ程度の厚みの板(壁)で大丈夫なの?って図面を見た時に思ったんだった!

出来てしまえば、当時のその驚きを忘れてしまっていましたー。

何センチの厚みか測ってみると、4.5センチ弱。

でも、2年間の使用実感として、薄くて頼りないと思ったことは一度もありません。
むしろ、手の小さいわたしには触りやすい。

きっと素人には、わかりえない、

『デザイン性と機能を「極限まで」追求したら、こんな階段室になるんだ!』

という、設計士さんと棟梁のスキルが詰まった階段。

なんだろうなー。

オール無垢材の床で(階段は集成材です)、年中、裸足で暮らせる快適な家ゆえ、日常的にスリッパを履いていないこともあるけど、毎日、上り下りする階段に

「落下の心配がない」

ってことは、なによりの幸せでございます。はい。

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