嚥下障害を克服しても、ジョッキで「ゴク!ゴク!」は楽しめず

かつてバーテンダーの経験があるオット。こよなくお酒の「味」を愛する、タチのよい「酒好き」。
なかでも、ビールは特に大好き!

入院前はしばらくお酒が飲めなくなるからと、いとおしんでビールの飲み納めをしたくらい。

それだけに、嚥下障害から解放されて水分摂取ができるようになったら、さぞかし飲みたくなるのだろうと思っていたけれど、
医者に止められるまでもなく、入院中から

 

「それほど飲みたいと思わない」と。

 

3週間近くも飲めず食べられずの日々だったから「感覚が戻っていないのかな」と思いきや、退院して自宅に帰ってもすぐに「飲みたい」とは言わなくて。

 

退院祝いの食卓も、飲み物は「お茶」。

 

結局、実際にビールを口にしたのは退院後数日してから、それも350ml缶を「試しに」1本だけ。

そろりと口にした退院後の初ビールの味を、「あんまり美味しいと思わない」。

 

そのオットの反応が、驚きよりもなんだか切なく。

 

たしかに、何も口に出来ない嚥下障害から解放されたとはいっても、しばらくは以前どおりの食事や水分摂取はできず。
帰宅当初は、入院中と同じような食事内容で様子を見ていたし。

飲み込みやすく小さめに切ったおかずや、柔らかめに炊いたご飯、汁物にはトロミ…。

そう考えると、あんなに好きだったビールが美味しくなるまでには時間がかかっても仕方ないのかなと。

 

で、あれから3年半が経ち、今のオットの嚥下状態はどうなったかというと…。

 

・飲み込むときに本人の意識の中で気をつけている以外は「基本的になんでも食べられる」
・むせる回数は以前より増えたけど、それも何とか自分でコントロールでき、こちらが心配になるほどの「大事に至ることは、ほぼない」

 

ま、「むせる」のは加齢のせいもあるかもしれないし、食事中の飲み込みに気をつけなきゃいけないのも嚥下障害経験者だけのことじゃないしね。

で、本題のビールといえば…。

ワイングラスに注ぎ「そーっ」とゆっくり頂くスタイルが定番に。
して、これまでのように実に美味しそうに飲んでくれる!

ビールにワイングラスの組み合わせは、味覚的にも飲み込みやすさ的にも適しているそう。

 

わが家では、SUNTORYのプレゼントのプレモルのロゴが入ったグラスが大活躍。
SUNTORYがおまけにつけるくらいだから、ワイングラスでビールはただ単にオシャレなだけでなく、やっぱり美味しく飲める理由があるんでしょーね。

実は、嚥下障害を克服したとはいえ、喉の開閉はやや鈍い状態が続いているみたいで、飲み込みに苦手な食材がどうしてもあり。

 

そのひとつが、水分(飲み物)。

 

ひとくちの量を加減すれば問題ないんだけど、水分は固形の食材と違い、喉を通過するときのスピードがすごく早い。

素速く開閉できない喉の動きでは、水分が気管に入り込み、むせる。だから、大きい口を開けての「ゴク!ゴク!」はご法度。

 

ゆえに、ビールはジョッキ、ではなくワイングラス。

 

汗をたっぷりかいた後の、乾いたノドに口いっぱいのビールを流し込む快感。
オットはあれから味わえなくなったけど、全体のアルコール摂取量は以前と比べてあまり減ってないかな。

 

量的には完全復活(笑)。

 

もうすぐ暑い夏が来る。

「ゴク!ゴク!」は出来ないかもしれないけど、この夏も自分スタイルで美味しくビールを楽しんでくれたなら、ヨメはそれだけで嬉しい。

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