リハビリで克服できる後遺症と、できない後遺症があるなんて
(※2015年の振り返り記録です)
リハビリテーション総合実施計画書でも明らかだったけど、オットの後遺症には大きく分けて2つのパターンがあり。
回復していく変化が見られるものと、ほとんど変化しないもの。
嚥下障害は、回復のきっかけまでは時間を要したけど、ひとたび回復しだすと日に日に元の能力を取り戻していった。
かすれて音にならなかった声も、電話でも聞き取れるほどに。
歩行障害も、体幹を鍛えるトレーニングの効果で、車椅子→歩行器→点滴棒→手すり→杖、と。
歩行速度こそノロノロながらも、様々なサポートを、ひとつひとつ必要としなくなっていった。
こんな風に目に見えてリハビリの効果が実感できる「運動障害」は、まだいい。
本人の努力次第で、時間の経過とともに、先々への希望が持てるから。
一方で、「感覚障害」と呼ばれる後遺症は、ちょっと厄介。
感覚障害には、運動障害のような効果的なリハビリが確立されていない。
まったくではないかもしれないけれど、こうすれば良くなる、という手だてがほぼなくて慣れていくしかないという。
そんなワケで、
「いつか治るかもしれない」あるいは「少しはマシになるかもしれない」
かもしれないし、
「いつまで経っても治らない」あるいは「より酷くなった」
となるかもしれない。
その困った感覚障害のひとつが、温痛覚麻痺(おんつうかくまひ)。
オットに「温痛覚麻痺」の後遺症があると最初に聞かされた時は、「麻痺」という言葉のイメージから「温度や痛みをまったく感じない」のだと思った。
ところが実際はチョット違った。
実は、麻痺しているのは「表面」もしくは「皮膚の浅いところまで」で、身体の内部はどうやら正常に感じるよう。
つまり、オットの右半身にある温痛覚麻痺は、右半身の表面的な感覚に障害が出ている状態で、注射針が刺さるチクッという痛みは感じない。
けど、お腹を壊したときの内側の痛みはちゃんと感じるらしい。
こんなことがあった。
焼き肉を食べに行った時、炉の上で肉を焼いていたオットの右手が真っ赤になっているのを、オット本人ではなく私が気づいた。
マズイ!!
オットの右手は、火がついている網の上の熱さが分かっていない!
慌ててコップに入った氷とおしぼりで右手を冷やす。
幸いヤケドには至らなかったけど、しばらくしてから「ジーン」と熱くなってきた、とオット。
表面は熱くなっているのに「熱い」と感じられず、それが深部に遅れて伝わるという現実。
医師に言われた通り、ケガとヤケドにはホントに気をつけなければならない。
こんなことも知った。
温痛覚麻痺は、皮膚表面がまったく「痛みを感じない」のだと思っていたら、「イタイ!」と感じることがあるのだという。
どーゆーこと?
同病の先輩方のブログで知ってオットに聞いてみると、どうやら本当にそうらしい。
冷たい水で顔を洗うのに、水をすくおうと手を出したとき。
愛犬の冷えた鼻先が、ふいに腕やスネに直接触れたとき。
冷たいものに触れた感覚を「冷たい」ではなく「イタイ!」と感じる。
大好きな飼い主に、近づきたかっただけのダックスが
「イタイッ!」
と、顔をしかめ、急に手足をひっこめるオットの仕草を、ちょっと寂しそうな目で見る。
「ごめんねー、マキは悪くないんだよー」
と、オットがダックスに謝るけど、どっちもカワイソウ。
このやりとりは、ワレンベルグ症候群発症後から現在に至るまで続いている。
オットの温痛覚麻痺は3年半経過しても、ほぼ変化なし。
どうにかならないかなー。
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